永遠なるものへの歩み寄り

緊急事態のはずが緊急事態にも思えない日々が、ただただ過ぎて行きますが、プロジェクトは地味に前進しております。

今月下旬に私の師匠の映画が公開されます。
私は助監督として制作に参加していますので、是非ご鑑賞ください。

さてこの映画ですが、主にベートーヴェンの『交響曲第九番』に関して描いているドキュメンタリーです。『第九』といえば、年末の天ぷらそばの替え歌の印象なわけで、ベートーヴェンといえば、私の親の田舎のジイさんが入れ歯を外して「ジャジャジャジャーン」とおどけるのを思い出す程度の認識でした。

ベートーヴェンは54歳で『第九』を完成させ、56歳で亡くなる。作曲者のベートーヴェン本人よりも『第九』のことを長いこと知っているのに、その曲の本当の良さをよく知りませんでした。過去の古い聴き慣れない音楽という認識。しかし決して聴き慣れないわけではなく、意識するまでもなく誰もの脳裏に焼きついている曲であったりする。

知っているのが不思議なようでいて、うわべの部分をすくうようには頭にある。
今回、この映画の制作に参加して、ベートーヴェンが『第九』にどれだけの想いを持ち、楽曲には深さがあるか、よく知ることができた。その背景や、音楽を再現する人たちに触れることで、心だけでなく体で感動することにもつながった。

これらのことを考えていると、実は自分が目指しているところと同じようにも思えてきたのです。
私の師のこの映画シリーズに一貫していることは、これからの世の中にも通じるテーマで、完成したその時だけでなく、いつの時代に鑑賞しても感動できる、人の心に響く作品であるということ。それは言ってみればクラシック音楽と共通で、古い作品ではあるけれど、いつの時代の人の心にも届いている、そんな作品。

それはいわばホンモノと言えるモノ。

良さに触れることで伝わる作品。
長く人々に愛されるような作品。

すぐに過ぎ去ってしまったり、いまの時代だけ、目の前にいる人にだけ愛されるのではなく、何度でも触れたくなるような、普遍的に深く人々の心に届くもの。

そして何より多くの人に喜んでもらえる。
そのための映画制作であるということ。

私は映画『NICEMIDDLE!』でそれができるということを頭に、制作を続けております。

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ドキュメンタリー映画『地球交響曲第九番』
http://gaiasymphony.com/no9/

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