PVを作り始めたきっかけ。理由。

毎回、ナイスミドルの試合に挑む選手に、試合前の心境を聞くPVを撮ってきていましたが、最近はあまり撮っていないこともあり「今回は撮らないのですか?」と、たまに聞かれることがあります。そもそもなぜPVを撮るようになったかといえば、すべては映画の完成に向けてだったということです。そのことについて言及してみようと思います。

いまでこそ私は、ナイスミドルの出場選手のことをだいたい存じあげておりますが、制作発表前から動いていたこともあり、撮影開始当初は誰一人、よく知りませんでした。ですので選手の集まるところに頻繁に顔を出して自分を認知していただき、撮影の協力を仰いでおりました。

作品の方向性は最初からある程度定まっているものの、ドキュメンタリーですから、何を撮ればいいのかは制作者自身もわからないところもあり、制作を進行させるには、とにかく必死にカメラを回すことにつきていたわけです。

みなさん、私のことは何処の馬のホネかもわからない制作者でしたでしょうから、ある意味、映画のために闇雲に撮り続けていく中で、PVを撮るようになった源は、みなさんに制作の進行状況や「自分の能力」を示す必要がある、目に見えてわかるように、どれくらいのクオリティのものを制作できるのかを知ってもらうためでもありました。

最初のPVを編集したときは、それまでに撮りためたもので、なにかしら形にしてみようと動いた結果なわけです。と同時に映画本編の完成形を、自分なりにイメージしやすくするためでもありました。

毎回、全試合の中から注目の試合を取り上げて撮影に行っていたようにも見えたことと思います。そういう形で撮っていたこともありました。とはいえ基本的には自分の知らない選手に接触するためであって、その選手と自分との関係性の発展や、選手のナイスミドルや競技・挑むことへの想いを知ることを第一義的に撮り続けていました。そこから様々な要素・出来事を見させていただいて、映画の材料となるものを判断していたわけです。

最初からPVありきでPVの制作を始めたものではないので「煽らない煽りV」などとも言われてきましたが、みなさんとても力になっていただいて、特に田中聡選手には毎回のようにご協力をいただき、盛り上げていただいておりました。撮影して公開することで、自分から選手へのエールのつもりでもありました。

だいぶ編集も固まってきている中で、本編のベースとなるような活動を並行してやってきていたことは、かなり実のあることだったということがわかってきています。まだ編集は続きますが、非常にいい感じに進んでいると思います。

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9月はナイスミドルと同じ日に、Dr.インクレチン選手の試合が米子で行われます。
長友選手は、ナイスミドルにも出場したことのある選手との、プロでの試合があります。
9月10日はかなり熱い日となりますね!

DUEL.28
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GAINA魂
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制作の行程

映画制作というと、一般的には劇映画のことを想像されるかとは思いますが、ドキュメンタリーの場合、同じ映画とはいえ、制作の行程はかなり異なってきます。

特に違ってくるのは、台本の有る無しです。

劇映画だと撮影の前に台本を作る事で、そこから先の行程が見えるようになるので、撮影前までの準備が重要になります。台本があることで、撮影・編集・仕上げの作業の予定が決まり、その逆算で上映の予定や映画祭出品の予定が立ってきます。

ドキュメンタリーは企画やコンセプトを作り、それに沿った形で先に撮影を進めて行く形。撮影中には追っている事象の変化によって、制作者側も変化に合わせていかなくてはならないので、場合によっては当初の企画内容からズレていく可能性もありえます。大抵はいい方向への変化であるから上映にこぎ着けているのだろうと思います。

撮影しながらも編集をするわけですが、ドキュメンタリーの編集は作り手側の意図が濃く出てくるもので、それこそ作家の個性そのもののようになるのでしょう。編集の内容によっては撮影素材が足りなくなることも多いので、編集しながら追加撮影することもよくあります。

ナイスミドルの映画では、選手を主体にナイスミドルのコンセプト的なものを描こうとしているわけですが、それより前に、作中で描くもののベースとなる思想的なものを固めることにも邁進していました。企画を考え始めた当初は、どんな選手がいるかなど知るわけもなく、制作に協力的な選手を中心に、作品の方向性など見えないところから練習風景の撮影を始め、徐々に選手のことを知るところから始めました。

個々の選手の考え方はバラバラなので、それをいかにして一本の作品としていくか。ここが肝心。あの選手とあの選手の関係性は?とか、考えがダブらないようにとか、表現しようとしている内容に合う形でそれぞれの選手のストーリーを、撮影・編集を進めながら紡いでいくようにしていきます。どんなにいい映像が撮れていたとしても、作品にそぐわないと判断したならば、カットせざるを得なくもなってしまいます。

撮影を始めてから具体的に作品を構築していくので、ドキュメンタリーは完成まで時間がかかるケースがほとんどです。

仮編集が上がってから映像の色調整、音の調整、音楽入れ、ナレーション収録、権利処理などの作業をして作品の完成となります。台本は編集が終わってから作ります。意味的には台本ということでもありますが、どちらかというとナレーション原稿的な意味合いが強いかもしれません。

同時に映画祭の出品や上映館との交渉やパンフレットやチラシ・ポスターの制作など、リリースに向けての作業が始まります。

現状は仮編集を進めている段階です。まだストーリーを語れる段階ではありませんが、仮編集の後半に入り始めているので、何となくの構造的なことは言えるような感じではあります。完成はあともう少し楽しみにお待ちいただきたく思います。

クラッシャー・アンド・ビルド

映画の編集はだいぶ進んできておりまして、
といえ、まだまだ先は見えず。

構築しては壊してやり直して、
入れ替えて入れ直して、
見て見直して。

群像劇の作品となりますから、
少しでも多くの選手にご出演いただこうと考えておりました。
ただ最近の傾向としては、作品が散漫になって、
伝えるべきこともわかりづらくなりそうな気配も感じられてきています。

自分的にも「良いストーリーを紡いでこれたな」という選手ですらも、
断腸の想いでカットせざるを得ないという状況にもなってきています。

そういう意味では作品の完成後に、
本当にスピンオフということもありえるかもしれません。

 

 

それからクラウドファンディングの制作費に関してですが、
いまのところまだ手をつけておりません。

使用用途は、仕上げの際のスタジオでの作業が主であること、
また映像や音楽などの著作権料での支払いに充てて、足が出るかな、
という予測でおります。

現状、制作のための出費は池田自身がまかなっております。

 

 

今月9日に行われるナイスミドル64では、
女子選手の試合も組まれます。

ここのところしばらく女子選手の出場を見られませんでしたが、
女子が頑張っているところも見たいものですね。
ナイスミドルは日頃の頑張りで輝ける舞台ですから、
是非リングでも普段の練習の成果を披露していただきたいところです。

というわけでウェルター級チャンピオン、
クラッシャー荻原選手が代表のTeam K.O.Garage所属の、
WAKANA選手のPVを制作しましたので、
試合前に目を通しておいていただけると、
きっと観戦も楽しくなると思います。

▼第10試合 ストロー級 2分2R
MOMI (40) vs WAKANA (47)

【NICEMIDDLE64】https://nicemiddle.jp
2023年7月9日(日)11:15 START at 新宿FACE

オープニング

オープニングがなんとなくできました。
ある程度のイメージはありましたが、ここを先に固めてしまうと、他のパートに影響が出る可能性が高かったので、後回しにしていました。だいたいのナレーションをベースにして、画を入れていき、当初のイメージとそうたがわない形にまで持ってこれたようです。

まだ細かい部分での変更は視野に入れていますが、流れは見られるようになったと思います。

涙の成分

連休が続いたあとの今月の半ばに、次回のナイスミドルの試合が開催されます。今回も楽しみなカードが目白押しですが、ウェルター級のタイトルマッチ、クラッシャー荻原選手が初の防衛に成功するか、見どころです。

試合に臨む選手たちは負けることは考えずに試合に挑むのは当然かと思います。勝つために苦しい練習をこなしていくのでしょうし、結果、報いを受けるのでしょう。確率的に言えば50%ではありますが、その数を上げるために頑張るのかもしれません。

それでも負けたときに、選手の胸には何が去来するのでしょうか。心境が複雑なのは間違いないでしょうから、その答えとして涙がこぼれる瞬間もあるかもしれません。涙は何でできているのでしょう。言ってみたらその涙の成分を分析していくのが映画なのかもしれません。

映画の制作は続いています。
まだ時間がかかるのは一つには交渉を並行して進めているということは以前にも言及しました。主には権利的な面での交渉です。映画は1人で作れるものではないですし、関わる多くの方の協力のもとで進んでいくので、丁寧に許諾をいただく必要があります。そこが疎かになっていると、最悪オクラ入りになりうるもので。。

大変困難な交渉も一つ二つではありませんが、快諾くださる方が多いのも事実で、映画の完成を楽しみにいていただけるのは、とても心強いです。

風に揺られ

3月になりました。
今年最初のナイスミドルが12日に開催されます。今年も多くの試合で感動をもらえるかと思うと楽しみになってきます。

そして肝心の映画も、皆さんに楽しんでいただけるように少しずつ歩みを進めております。変わらず撮影をしながらの制作で、細かい箇所にも選手の想いを込めていけるように、編集を続けております。制作サイドでの部分的な試写も始めております。

早くにいいお知らせができるよう、春の風に揺られながらカメラを回しております。

生き急がない

追いきれないものが多過ぎて、毎日が怒涛のようなスピードで過ぎ去っていってしまっているようであります。

個人から社会から、様々な情報が溢れ過ぎて、次から次から流れていくばかりで、ふと立ち止まって一息つけるような素晴らしいものとの出会いが少なくなっている。生き急いでいるつもりもないはずなのに、昨日、一昨日あった出来事も忘れてしまうのも当たり前になってきていて、心に残るような温度のあることも感じず、人のことも自分のことも見失ったまま、ときを過ごしているだけのように感じてしまうこともある。ときには自分がいま生きている世界とは別の時空に飛び越えて過ごすことができたらと思うこともあり。

先月はインタビューの撮影を続けて行いました。
物語の流れの中で、もう少し必要としていた、選手のコメント撮りです。これはまだ必要な箇所があって、でもまだ編集を先に進めないと撮影に入れないものでもあり。また編集を進めていくにつれ、インサート映像として、まだ撮っていなかったものや不足していたものも出てきていて、これも適宜、撮影していく次第であります。

音楽も徐々に決まり始め、当初、心配していたときよりは道が見えてきております。ビックリするくらいシーンとマッチしている楽曲と出会えたり、過去に温めていたところからコラボレーションできそうだったり。あとは制作中・交渉中のオリジナルの楽曲が、作品にどう作用してくるのかが楽しみであります。

編集をしながらも、ふと冷静になると見えてくる世界。その世界が見えるような心の状態で、作品を作れる自分でありたいし、映画を見る人たちを、そういう状態に導けるような作品へと積み上げていけるよう、日々、模索しております。

順調に急ぎながら大胆にゆっくりと慎重に

ここのところしばらくは変わらず編集を進めており「いよいよ佳境に入ってきた!」とまでは言いがたいものの、ざっと全体の半分以上は見えている状態とは言えると思います。

進めれば進めるほど、様々なことが見えてくるのも当然で、それもあって構成を変えてみたり、細部をどんどんカットしていったりしているところです。時間的な制約がまったくなければ、それぞれの選手のストーリーを緻密に描いていくのですが、そこはやはり、かなり端折っていくしかないようになっています。それはもったいないものの、すっきりする部分も出てくると思うので、そこは「よし」としようと考えています。

音楽も徐々に決めつつ進めていて、やはり音楽が作品に与える影響は大きく、選択肢は多くありたいものです。権利の問題などもあり、交渉しながらなので、なかなか一筋縄にはいかないところではあります。ここは力になってくださる方がいれば、大いに協力をお願いしたいです。

とにかくゆっくりと、先を急ぎつつ、できるだけ早めに全体像が映像として目にできるように進めております。

終わりは始まり

ナイスミドルに出場する選手と接していると、練習するたびに上手くなっている実感があることを話す選手と出会い、50を超えても伸びしろがあると耳にします。また「自分らしい」戦いをしたいということもよく聞きます。そのための心のトレーニングもするようです。

その一方で、引き際を考えている選手もいます。

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「試合に出ても結果に後悔してしまうというか。だったら戦わない方がいいのかな。同じ熱量、同じ練習量でできなければ、それはもう試合にあえて出る必要はないのかな。」

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「引退」を口にする選手もいますが、ナイスミドルに「引退」はないと言います。

試合をしたいと思ったときに出場すればいいわけで、そのときは出場のタイミングではなかったということなのでしょう。

思うように体が動かない。昨日できていたことが今日になってできなくなっている。ケガが快方に向かわない。

40代前半の「若手」でも、そこを頭に描きながら練習している選手もいれば、歳を重ねるほど進化しているという選手もいます。ストイックに求め続けている選手もいます。

自分が決めた地点まで動く人もいれば、納得いくまで続ける人まで千差万別ですが、確実なことは、一時的に休みを取ったとしても、どのタイミングでけじめをつけようとも、思い立ったときから挑戦することはできるということです。

語られるもの

編集、進めています。

だいぶペースアップしてきましたが、それでも進んだり戻ったりの繰り返し。

先日、追加の撮影を行いまして、これはなかなかいい素材を撮らせていただき、印象的なシーンを組むこともできています。

全体の構成はある程度、見通しは立っているものの、実際に細部を詰めて行くと、間にクッションを入れたほうが一息つける、などと、ブロックを増やして、流れを良くしたり。とにかく試行錯誤の日々です。

引き分けは別にして、勝ちか負けが決まる勝負の世界を描いています。

そんな選手たちも、生活しているのは、二元論で語れるほど単純にできた世界ではないですし、映画で語られるものも、勝ち負けだけではないところに漂っている選手たちの想いの部分です。

想いがあり、迷いがあり、葛藤がある。
誰にでもあるものであり、ミドルエイジの選手たちも、等しく持っているもの。

編集を進めていて、改めて皆さんの想いに興味を持ちます。

強さの証明を手に入れたい。
仕事の制約や、老化との駆け引き。
想いと気持ちが比例しない、心の弱さ。

挑むための覚悟。

戦う相手は対戦相手だけではない。

その想いに正直に生きて欲しいと願うと同時に、後押しできればとも思います。人間が生きて行く上で抱える、根源的なところを扱っているでしょうから、響くものも多いだろうと思います。

撮影も編集もまだまだ続きます。