先日、地方へ撮影に出向きました。
首都圏の都市を中心に活動しているナイスミドルの選手たちですから、撮影素材の風景にしても同じようなものが多くなってしまい、ダイナミックなスケール感に乏しくなってしまいます。
今回は自然の中で躍動している景色をなるべく撮ることで、一瞬の休息のような感じを出せるシーンとなることと思います。
天候は安定しない地域でしたが、陽は少ないものの、比較的きらびやかな画を多く撮れた気がします。
撮影は3日間、時間にしてほぼまる1日。選手にはハンドルを手に、付き添っていただきました。
撮りたいと思った人を撮る。
その直感は案外ハズレることはなく、想定を越えた答えを得られることの方が多い。
想いを寄せる故郷に帰って、それまで携えてきたものを返そうとする姿勢。自然体でしなやかさがありながら、何かに流されるでもなく、本来あるべき姿を追求していく様は、医師でありながら修行僧のようにも思えた。道場での稽古も基本に忠実に、子供たちと共に型を繰り返し身に付ける。
人を受け入れる器の大きさがありながら、ブレることのない強さも兼ね備えている。
本当に道を極めようとしている精神性を垣間見られたのは、映画作りに奔走することのためと言うよりも、人として生きていく上でのお手本となる生き方を見させてもらえたと言う意味でも、遠方まで来る価値は存分にあった。齢にしてさほど変わらない中で、心に響く経験ができたことは、生き方にも映画にも反映させていけるようにしたいところです。