涙の成分

連休が続いたあとの今月の半ばに、次回のナイスミドルの試合が開催されます。今回も楽しみなカードが目白押しですが、ウェルター級のタイトルマッチ、クラッシャー荻原選手が初の防衛に成功するか、見どころです。

試合に臨む選手たちは負けることは考えずに試合に挑むのは当然かと思います。勝つために苦しい練習をこなしていくのでしょうし、結果、報いを受けるのでしょう。確率的に言えば50%ではありますが、その数を上げるために頑張るのかもしれません。

それでも負けたときに、選手の胸には何が去来するのでしょうか。心境が複雑なのは間違いないでしょうから、その答えとして涙がこぼれる瞬間もあるかもしれません。涙は何でできているのでしょう。言ってみたらその涙の成分を分析していくのが映画なのかもしれません。

映画の制作は続いています。
まだ時間がかかるのは一つには交渉を並行して進めているということは以前にも言及しました。主には権利的な面での交渉です。映画は1人で作れるものではないですし、関わる多くの方の協力のもとで進んでいくので、丁寧に許諾をいただく必要があります。そこが疎かになっていると、最悪オクラ入りになりうるもので。。

大変困難な交渉も一つ二つではありませんが、快諾くださる方が多いのも事実で、映画の完成を楽しみにいていただけるのは、とても心強いです。

風に揺られ

3月になりました。
今年最初のナイスミドルが12日に開催されます。今年も多くの試合で感動をもらえるかと思うと楽しみになってきます。

そして肝心の映画も、皆さんに楽しんでいただけるように少しずつ歩みを進めております。変わらず撮影をしながらの制作で、細かい箇所にも選手の想いを込めていけるように、編集を続けております。制作サイドでの部分的な試写も始めております。

早くにいいお知らせができるよう、春の風に揺られながらカメラを回しております。

生き急がない

追いきれないものが多過ぎて、毎日が怒涛のようなスピードで過ぎ去っていってしまっているようであります。

個人から社会から、様々な情報が溢れ過ぎて、次から次から流れていくばかりで、ふと立ち止まって一息つけるような素晴らしいものとの出会いが少なくなっている。生き急いでいるつもりもないはずなのに、昨日、一昨日あった出来事も忘れてしまうのも当たり前になってきていて、心に残るような温度のあることも感じず、人のことも自分のことも見失ったまま、ときを過ごしているだけのように感じてしまうこともある。ときには自分がいま生きている世界とは別の時空に飛び越えて過ごすことができたらと思うこともあり。

先月はインタビューの撮影を続けて行いました。
物語の流れの中で、もう少し必要としていた、選手のコメント撮りです。これはまだ必要な箇所があって、でもまだ編集を先に進めないと撮影に入れないものでもあり。また編集を進めていくにつれ、インサート映像として、まだ撮っていなかったものや不足していたものも出てきていて、これも適宜、撮影していく次第であります。

音楽も徐々に決まり始め、当初、心配していたときよりは道が見えてきております。ビックリするくらいシーンとマッチしている楽曲と出会えたり、過去に温めていたところからコラボレーションできそうだったり。あとは制作中・交渉中のオリジナルの楽曲が、作品にどう作用してくるのかが楽しみであります。

編集をしながらも、ふと冷静になると見えてくる世界。その世界が見えるような心の状態で、作品を作れる自分でありたいし、映画を見る人たちを、そういう状態に導けるような作品へと積み上げていけるよう、日々、模索しております。

順調に急ぎながら大胆にゆっくりと慎重に

ここのところしばらくは変わらず編集を進めており「いよいよ佳境に入ってきた!」とまでは言いがたいものの、ざっと全体の半分以上は見えている状態とは言えると思います。

進めれば進めるほど、様々なことが見えてくるのも当然で、それもあって構成を変えてみたり、細部をどんどんカットしていったりしているところです。時間的な制約がまったくなければ、それぞれの選手のストーリーを緻密に描いていくのですが、そこはやはり、かなり端折っていくしかないようになっています。それはもったいないものの、すっきりする部分も出てくると思うので、そこは「よし」としようと考えています。

音楽も徐々に決めつつ進めていて、やはり音楽が作品に与える影響は大きく、選択肢は多くありたいものです。権利の問題などもあり、交渉しながらなので、なかなか一筋縄にはいかないところではあります。ここは力になってくださる方がいれば、大いに協力をお願いしたいです。

とにかくゆっくりと、先を急ぎつつ、できるだけ早めに全体像が映像として目にできるように進めております。

終わりは始まり

ナイスミドルに出場する選手と接していると、練習するたびに上手くなっている実感があることを話す選手と出会い、50を超えても伸びしろがあると耳にします。また「自分らしい」戦いをしたいということもよく聞きます。そのための心のトレーニングもするようです。

その一方で、引き際を考えている選手もいます。

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「試合に出ても結果に後悔してしまうというか。だったら戦わない方がいいのかな。同じ熱量、同じ練習量でできなければ、それはもう試合にあえて出る必要はないのかな。」

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「引退」を口にする選手もいますが、ナイスミドルに「引退」はないと言います。

試合をしたいと思ったときに出場すればいいわけで、そのときは出場のタイミングではなかったということなのでしょう。

思うように体が動かない。昨日できていたことが今日になってできなくなっている。ケガが快方に向かわない。

40代前半の「若手」でも、そこを頭に描きながら練習している選手もいれば、歳を重ねるほど進化しているという選手もいます。ストイックに求め続けている選手もいます。

自分が決めた地点まで動く人もいれば、納得いくまで続ける人まで千差万別ですが、確実なことは、一時的に休みを取ったとしても、どのタイミングでけじめをつけようとも、思い立ったときから挑戦することはできるということです。

語られるもの

編集、進めています。

だいぶペースアップしてきましたが、それでも進んだり戻ったりの繰り返し。

先日、追加の撮影を行いまして、これはなかなかいい素材を撮らせていただき、印象的なシーンを組むこともできています。

全体の構成はある程度、見通しは立っているものの、実際に細部を詰めて行くと、間にクッションを入れたほうが一息つける、などと、ブロックを増やして、流れを良くしたり。とにかく試行錯誤の日々です。

引き分けは別にして、勝ちか負けが決まる勝負の世界を描いています。

そんな選手たちも、生活しているのは、二元論で語れるほど単純にできた世界ではないですし、映画で語られるものも、勝ち負けだけではないところに漂っている選手たちの想いの部分です。

想いがあり、迷いがあり、葛藤がある。
誰にでもあるものであり、ミドルエイジの選手たちも、等しく持っているもの。

編集を進めていて、改めて皆さんの想いに興味を持ちます。

強さの証明を手に入れたい。
仕事の制約や、老化との駆け引き。
想いと気持ちが比例しない、心の弱さ。

挑むための覚悟。

戦う相手は対戦相手だけではない。

その想いに正直に生きて欲しいと願うと同時に、後押しできればとも思います。人間が生きて行く上で抱える、根源的なところを扱っているでしょうから、響くものも多いだろうと思います。

撮影も編集もまだまだ続きます。

サウンドチェック

サウンドチェックをしました。
本来、音の仕上げは本編完成直前の作業になるのですが、重要なシーンで確認したい箇所があったので、その部分だけザッと編集をして確認しました。

音響担当の中村さんに音の調整をしていただき、映画音響の環境に優れた劇場でプレビューします。編集室のPCで聴くのとは異なって、本来、劇場で耳にする音で確認ができます。。ちょうどいい機会だったので、ザッと色も入れて、発色の感じも確認しました。

このシーンもまだまだ直しが必要なことがわかりましたので、じっくりと直しを進めていきます。

映画の本編全体は、まだまだかなり粗いものの、3時間以内にまとめました。もちろん粗いですから、もっと詰めて行く箇所、追撮の必要な箇所、膨らませる箇所、いろいろとあるので、今後は逆に3時間を超えてしまうことも出てくると思います。まとめる作業はとても決断に迷うものです。

8日にNICEMIDDLE58が開催されますので、PVを制作しました。

そのPVの編集過程の画面録画した映像を公開しました。
https://www.facebook.com/watch/?v=387908133256525

新年度からのカメラ

先月のナイスミドルでは、試合前に撮影に伺ったJ.B.kyonso選手が、見事にライトヘビー級の新チャンピオンに輝きました。おめでとうございます。

撮影時のインタビューでは自信なさげに「プレッシャーかけないで下さい」としきりに口にしていましたが、その試合の勇敢なチャンピオン然とした試合運びに心を打たれました。頼もしいコメントをもらえるだろうと期待しているところに、スコンっと気の抜いた返しをしてくる飄々としたJ.B.kyonso選手はみんなから愛される選手です。今後の防衛戦も楽しみにしていきたいですね。

さてカメラが壊れました。

今回はサブで使用しているものではありますが、重要な役割を果たしているものなので、早々に新たな代替機を見繕いました。私はそこそこの機材を長く使う方なので、修理に出すにもメーカーも対応していない古い型で、新たに買った方がいいという、よくあるケースです。

この映画の撮影期間には何台かカメラを追加して使用するようになったり、メインで使用しているカメラが壊れてしまったりがありました。メインのカメラは本当に古いのですが、ギリギリ補修期間内だったので修理してもらえたという、正に綱渡りとも言える制作の現状だったり。

皆さんのご協力なしには進まない制作ではありますが、機材がご機嫌斜めになっても進まない制作であります。これは映画の醍醐味でもあって、事前に頭で計算して考えておき、でも現場に行けば計算は儚く崩れ去ることの方が多く、とはいえ体力を要しながら撮影した素材を、機械を使いこなしながら、イメージした通りにまとめ上げていくという。そしてそれを理論ではないところで人の心に届けていく。音楽や間、空気、色、リズム、カットの並び等、様々な要素をうまいこと紡いでいくことで良い作品に仕上がっていく。

いろいろやってます。
いまは編集が主ですが、撮影も少しずつ進めています。なのでカメラにはまだまだ重要な役割があります。

春の足音

今月13日にナイスミドル通常通り開催されます。今回はダブルタイトルマッチがあって楽しみですね。

SHOJI選手が念願のベルトを巻くのか?ライトヘビー級でも新チャンピオンが誕生するのか?選手の皆さんには盛り上がる試合を期待して、新宿FACEまで足を運びましょう。

ナイスミドル映画製作プロジェクトも順調に進んでおります。
振り返れば4年前のこの時期に撮影をスタートしました。大体の企画と構想だけで進めてきましたが、たくさん撮影重ねてきたことで、徐々に作品の構成を組めるようになり、ようやく全体像が見えつつあります。

編集を進めるにつれ、追撮が必要な箇所も出てきています。
だんだんと温かくなってきましたが、季節を見ながら撮影をこなして、できる限り早い時期にお会いできるようにしていきたいと考えています。

撮影クルー

私がナイスミドルと関わるようになったのは、2016年に開催されたナイスミドル32で試合の記録撮影を始めたところからです。試合が開催される度に、試合の撮影と編集を行ってきました。試合を撮影するにつれ、この中年たちの物語を描いていったら面白くなるだろうと、試合以外でも撮るようになりました。

映画を制作するにあたって、試合の映像が必然と必要になりますが、私が撮影しているのは試合の映像。会場の控え室などのバックグラウンドは私ひとりでは撮りきれきれるはずもなく、撮影のご協力をいただいている方たちがいます。

元ミドル級チャンピオンの小川貴弘さんにも試合中の撮影をお願いしたこともあり、たまにカメラを持っていただいています。またフェザー級の加藤巧さんにお願いしたところ、かなりカッコイイ映像を撮ってくださり、それ以来、会場内の撮影をお願いしております。

加藤さんにはカメラを2台託しており、臨機応変に使い分けて撮っていただいています。毎回試合前には、その日のなんとなくの撮影の狙いを伝えますが、撮影後の映像を見ると、私の想像を超えるようなイイ画を目にすることができます。なのでいつも安心して撮影をお任せしています。

会場での録音は中村充さんと大川和朗さん。
中村さんとは私の師匠の映画で一緒に制作したことがあり、今回の映画では音響全般で力になっていただいております。音響に関して中村さんには、様々なアドバイスをいただいており、この会場での音も作品となる頃には、臨場感あふれるサウンドで、会場にいるような感覚で劇場で映画を楽しむことができるようになるでしょう。

他にはカメラを固定でGoProを設置していたり、レフェリー用のアクションカムも設置しています。レフェリーカメラのレフェリーの頭への取り付けのフォローに、高橋澄人選手、クラッシャー荻原選手、助監督などに入っていただいていたりもしています。

試合のバックグラウンド撮影は、ある程度撮れてきているので、今後カメラの台数などは減らしていきますが、まだ撮影は続行しますので、会場での撮影にも是非ご協力くだされば感謝です。よろしくお願いいたします。